魚の旬

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1月
しじみ 寒さが一段と厳しさを増すこの頃に食べ頃になるのがシジミ
シジミの旬は冬と夏だが、寒シジミは1月が美味。
小粒より大粒を選び、口が閉じているのが鮮度がよい。シジミは黄疸を直す薬効があるといわれ、味噌汁の具にすると旨みやエキスが出ておいしい。
必須アミノ酸、カルシウム、ビタミンB2、B12も豊富で肝臓、貧血に効果がある。
しょうゆ漬け。 3度おいしいシジミ
鮟鱇 あんこう 旬は冬から早春。味はフグに比較される。
からだが柔らかくぬめぬめしているので、アンコウの口の骨にカギをかけて、つるし切りする。
野菜や豆腐と一緒に割り下で煮込んだアンコウ鍋がおいしい。
実ばかりか皮や内臓もあますところなく食べ、特に肝臓(トモ)、胃袋(水袋)、卵巣(ヌノ)、ほお骨(柳肉)、エラ、ヒレ、皮は、アンコウの「七つ道具」といわれ、珍味としてもてはやされている。
 どぶ汁
金目鯛 きんめだい タイと名が付いているが、タイ科の魚ではない。
旬は冬だが、6月頃も脂がのっており、その刺し身はプリプリした歯ごたえと脂の甘さがあっておいしい。
煮魚の場合は、目玉の回りのトロリとしたところまで食べるのがよい。
頭とヒレの付け根の肉は歯ごたえもあり美味
赤魚鯛 あこうだい 産卵期前の晩秋から冬にかけて味がよい。
水分が多く、身が崩れやすいので、煮付けたり、味噌や粕に漬けてから焼いたりすると、身が締まっておいしくなる。
ふな 小鮒は、甘露煮昆布巻きに利用される。
大きな活魚は洗いや辛子味噌和えに、特に寒鮒が美味。
ふなめし ふな寿司 鮒のてっぱい
眼抜 めぬけ 赤魚鯛の一種で、両者を混同して売っていることも多い。
濃いめの味で煮付け、空揚げ、粕漬けなどに向く。
脂肪が多いので、鍋物や汁物にする時は湯通しするのがコツ。
/竹麦魚 ほうぼう 白身で締まった肉質を持ち、味も鯛に匹敵する高級魚。
市場には秋から春にかけて出回るが、旬は冬。
淡白な味のため、どんな料理にも向く。
生きの良いものは薄作り、昆布じめなどにするほか、ちり鍋、魚すき、ブイヤベースなどにする。
みそ椀
ホウボウの刺し身
牡蠣 かき 流通しているカキは、養殖物が主流とはいえ、やはり冬場がおいしい。
カキの旨さは、二枚貝の中でも脂質、グリコーゲンを多く含むためである。
グリコーゲンは、肝臓の働きを助ける効果がある。
また、銅や鉄などの無機成分や脂溶性、水溶性のビタミンを多く含み、貧血にも効果がある。
秋から冬にかけてのお楽しみはやっぱりかきが一番。「Rの付かない月はかきを食べるな」と西洋でも言われるように9月から出まわってくるものです。おいしさだけでなく栄養バランスもすばらしく、鉄分やビタミン源に富み、とくにエネルギー源となるグリコーゲンの量はもっともおいしい2月には100グラム中5.7グラムにも達します。
 調理いろいろ
 カキの知識
 カキの中国風フライ
さわら 旬は回遊する地域によって異なり、東京あたりでは1月〜2月の寒中を旬とする。
普通魚は頭に近いほうがおいしいが、サワラに限っては尾に近い方がおいしい。
タンパク質、脂質、ナイアシン(ビタミン)に富んだ栄養価の高い魚。
さわら料理
魚偏に春と書くので春の魚だと思われがちですが、実際にこの魚が獲れるのは一年中です。さわらは季節に合わせて日本近海をめぐる季節回遊魚なのです。体つきが細身なので、付けられた名前が狭い(サ)腹(ハラ)だとか。水分が多くてひじょうに柔らかく、すぐに身割れしてしまうため取り扱いに注意しましょう。
脂のった早春のサワラ
ぶり 天然物は冬が旬。
現在では天然物をブリと呼び、養殖物をハマチと呼んで区別することが多い。
脂ののった寒ブリはおいしく、刺し身、塩焼き、照り焼きなどにする。
魚へんに師走の師と書いて、ぶり。これは12月にぶりが一番おいしい時期だからと言いますが、それには科学的根拠があります。この時期、ぶりにはヒスチジンというアミノ酸が増えるそうで、これは、かつおぶしにも多いうまみ成分なのです。ぶりは青背の魚の中でもトップクラスの栄養価。善玉コレステロールを作り出すEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が多く、ビタミンB1、B2、ナイアシンも豊富です。
ブリの大和蒸し
プリのくず粉焼き
ずわい蟹 ずわいがに 山陰地方では松葉ガニ、福井では越前ガニと産地によって呼び名が変わる。
メスはオスに比べ小さい。
特に卵を抱いているものは珍重され、未成熟卵の内子(うちこ)を持っているものは市場価値が高い。
オスは足の肉は多く、しかも甘くコクがあるので、グルメにとってはカニの王様といわれる。
かに料理
冬の味覚の王様は何といってもかにでしょう。いろいろな食べ方がありますが、生のもは焼いたり茹でたりとシンプルに、冷凍ものは酒と塩を入れた熱湯で茹でるとおいしくいただけます。選ぶ時は、甲羅の色があざやかで黒ずんでいないものを。
九絵 くえ 深海魚。くえ/クエは体の模様が9回変わることから漢字で「九絵」と書くとか。
市場になかなか出回らない珍しい魚。 うすづくりの刺身から焼き物、鍋、でといろいろ。

九絵の知識
大正海老/大正蝦 たいしょうえび 別称・俗称 コウライエビ
分類 甲殻網・十脚目・クルマエビ科
全長(最大) 20cm
旬 12〜2月
産地 黄海、東シナ海、勃海・(長崎県長崎港、山口県下関港)
大正蝦。

大正エビの塩焼き
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2月
たら 12月〜1月に旬を迎え、冬の味覚の筆頭にあげられる。タンパク質、脂肪分が少なく、淡白な白身である。タラの卵巣はとても栄養価が高く、代謝機能を活発にするビタミンB2が多く含まれている。
たら料理
「鱈」という字のとおり、たらの身は雪のように白く、淡泊な味わい。雪の降る真冬が旬です。たらは食いしん坊で、えび、たこ、いそぎんちゃくや、自分の体重の2/3量もある魚を食べるそう。このことから、お腹いっぱい食べることを「鱈腹(たらふく)くう」と言うのだとか…。低カロリー高タンパクの良質なたらですが、とくに注目なのは皮。人の皮膚や骨の細胞を結合させ、お肌をきれいに保つコラーゲンが豊富なので、しっかりいただきましょう。
たら料理2
淡泊な味わいが上品で、鍋物や焼き物にぴったりのたらですが、いたみやすいのが困りどころです。そのため昔から塩だら、棒だら、すき身だら、でんぶなどの加工品が多く作られてきました。スペインやポルトガルでも干しだらが有名です。加工品は塩分が強いので、調味料を減らすなどの加減が必要です。
たらこ・明太子
すけそうだらの卵巣を塩漬けにした、たらこ。身のほうは?というと一般的に真だらより味が落ちるので、かまぼこやちくわに加工されています。たらこを唐辛子液に漬けたものが博多名産として知られる明太子で、もとは韓国のもの。韓国で、たらを「明太」(ミンタイ)、たらの卵を「明太子」(ミンタイコ)と呼ぶことにならって付いた名前だそうです。たらこも明太子も、おにぎりやパスタをはじめ、応用範囲が広く、いろいろな料理に大活躍。食卓のご飯の友にぴったりですね。
 寒風が育てる伝統食棒ダラ
金糸魚 いとより 脂ののった白身で、何にでも向くが、骨が堅く、身が柔らかいので扱いを丁寧に。焼く場合には網でなく、金ぐしを打つとよい。
いとより料理
むつ 熟の卵巣のムツゴは魚自体よりおいしく、珍重されている。
むつ料理
白魚 しらうお 淡白な味でほのかな甘みがあり、春の魚として好まれている。
大根おろしと共に生で食べたり、天ぷらやフライ、卵とじ、吸い物やすし種としても使われる。
公魚 わかさぎ 旬は冬。1月〜3月頃がワカサギ釣りの最盛期。
小骨が気にならないので食べやすく、フライや佃煮にして食べる
産卵は早春で、卵を持ったメスが美味である。
焼きワカサギ
石鰈 いしがれい カレイは種類が多く、東京ではイシガレイ、関西ではカワガレイが美味といわれる。
旬は秋から冬で、イシガレイは薄造りや洗いで食べると美味。
刺身で食べた残りの部分も、空揚げに。
平貝 たいらがい 偏平なソラマメ形の大きな貝柱を食用とする二枚貝で、秋から、春先までが旬。
独特の風味と甘みがあり、刺身や焼き物にする。
きんき・喜知次 きんき・キチジ きちじの地方名、料理の素材としてはきんきの名で知られる。
柔らかくて脂がのった白身魚で焼き魚や煮物に向く。東京では一尾づけの煮魚に。
北海道の一夜干しの開きは味がよいといわれる。旬は晩秋から冬だが、漁獲量の多い4月に多く出回る。
笠子 かさご 冬が食べ頃。白身の魚で大変おいしいが、刺(とげ)が多く、さばき難いのが欠点。刺し身で食べる時はとれたてか、その日にとったものを使う。
歯ごたえがあり、なめらかでプリプリし、甘みもある。吸い物や味噌汁、煮付けにしてもおいしい。
青柳 あおやぎ 馬鹿貝のむき身を青柳と呼んでいる。新鮮なものは、そのままワサビ醤油で食べると美味。
バカ貝(アオヤギ)のかき揚げ
まぐろ 黒マグロの旬は脂ののる冬。マグロの赤身と脂身とでは、脂肪分量が大きく異なり、特に旬の頃の大トロの脂肪含有量は40%にも達する。他にマグロには、ヒスチジンやアンセリンなどのエキス成分がたっぷり含まれている。
まぐろ料理
日本人が一番好きでたくさん食べている魚はなんといってもまぐろです。まぐろ類の年間漁獲量は全世界で約165万tですが、その3分の1量が日本で食べられているそうです。お寿司や刺し身に、日本の食卓には欠かせないまぐろですが栄養価も高く、コレステロール値を押さえるエイコサペンタエン酸(EPA)や頭の働きをよくするといわれているドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含んでおり、おいしいだけではない効果があるのもうれしいところです。
まぐろの湯葉造り。  マグロの頭。  正月マグロの至福
マグロのトロ。 マグロ茶漬け。 マグロの山かけ
マグロの中国風茶漬け。 マグロとアスパラのハーブマリネ
馬面剥 うまづらはぎ カワハギ科。味や形がカワハギによく似ているため、カワハギの代用品として加工されることが多い。
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3月
目抜 めぬけ 身は適度な脂けがあり肉量も多いが、味は大味。旬は冬だが、冷凍物は年中出回る。
煮付け、鍋物、味噌漬け、粕漬け、網焼き、フライなどにする。
/竹麦魚 ほうぼう 早春から晩春にかけてが食べ頃。白身魚で
細魚 さより 晩冬から春にかけてが旬。ワタ焼けしやすいので早目にワタ抜きを済ます。
淡白で上品な味わい。やや特有の生臭みがあるのでレモンや酢などの酸味を添えるとよい。
さより料理
はまぐり 1年中とれるが、旨いのは12月〜3月、店頭で見かけるハマグリの9割以上は輸入物である。
焼きハマグリはちょうつがいの部分にある突起をこそげとっておくと、口が開いても煮汁こぼさずに焼きあげられる。
はまぐり料理
はまぐりの歴史はとても古く、縄文時代、つまり約1万年前の貝塚に見られます。古代の日本民族が貝類をたいへん好み、とりわけはまぐりを多量に食べていたことがよくわかるそうです。現在は日本で消費されるはまぐりの90%は輸入ものですが人気の程は変わりません。
酒蒸し
はまぐりの変わり焼き
栄螺/拳螺 さざえ 冬から春までが旬。
ビタミンAが多く滋養に富む。
壺焼きの合わせ具は、本命のサザエを生かすようにくせのないものを選ぶのがポイント。やはり磯の香りや舌ざわりを味わいたい。エスカルゴ風
浅蜊 あさり 旨いというだけでなく、ビタミンA、B2、B12の含有量が多く、タンパク質や脂肪も貝類としては多い方である。
あさり料理 ピリ辛炒め
あさり料理2
最近では年中出まわっているあさりですが、本来の旬は冬から早春にかけてです。漢字で「浅蜊」と書くのは、遠浅の海の砂地に生息しているからだとか。栄養面ではビタミンB2、カルシウム、鉄分の含有量が多く、うま味成分も多いので、スープやだし汁ごと味わえる料理がおすすめです。
アサリと春キャベツの酒蒸し
にしん・ニシン 旬は春で、2月のニシンは、はしりニシンといわれる。塩焼き、昆布巻き、鍋物などにする。
また、天火に干したものは身欠きニシンといい、蛋白質や脂肪、ビタミンBが多く含まれている。ニシンの子が数の子。
虹鱒 にじます 天然物は70〜80センチにも達し、マスの王者ともいわれるが、市販品は養殖物で20センチ前後が多い。
産卵前の早春に味がよく、塩焼きやムニエルにすると軽くておいしい。
田螺 たにし 淡水の巻き貝を総称してタニシと呼ぶ。水田でとれるのがタニシ。近頃では養殖物が市販されている。
タニシとわけぎの味噌和えや、串に刺して味噌をつけて焼くとおいしい
海雲 もずく トロミと磯の香りが身上で、主に酢の物にする。
塩漬品がいつでもあるが、冬から春に繁茂し、太平洋側では2月〜3月に、日本海側では6月〜7月に新物が採取される。
白子 しらす シラスはマイワシ、カタクチイワシ、イカナゴなどの稚魚で、魚体が白い(無色透明)ものの称。
シラス干しは塩茹でしてから軽く干したもので、カルシウムをたっぷり含む。旬は春。しらす料理
小鰭 こはだ ニシン科。4〜5センチのものを「しんこ」、10センチ前後を「こはだ」、15センチ以上を「このしろ」と名前が変わる。
味も成長と共に変わる。しんこはサッパリした味、こはだはやや脂がのり、このしろになるとやや大味になる。
旬はしんこが夏から初秋、こはだが晩秋から冬、このしろは冬。
小骨が多く、特有のくせをもつので酢でしめて用いる。こはだは寿司や酢の物などに用いる。
槍烏賊 やりいか 食べ頃は初春といわれているが、特に1月頃がおいしい。
刺身、すし種として食べるほか2月には卵巣が大きくなり、子持ちイカとして丸ごと茹でたり、煮て食べる。
肉のやわらかさと、卵の溶けるような食感に人気がある。やりいか料理
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