新聞掲載記事から転載しました。 讀賣新聞 2003年1月31日(土)



焼きワカサギ

 おでん仕立てに

  炊き込みご飯で

 今が旬のワカサギ。丸ごと食べるのでカルシウムもたっぷり取れるが、料理法となると、空揚げや南蛮漬けくらいしか思いつかない。フードコディネーターの向後千里(こうごちさと)さんは、香ばしく焼いたワカサギを使って、献立の幅を広げては、と提案する。
 丸ごと食べるだけに、ワカサギは鮮度が命。「時間がたつと、どうしてもはらわたから傷んでしまうので、買ってきたらすぐに焼いてしまうことをお勧めします」
 ワカサギに塩を振って混ぜ、汚れやぬめりを取る。水洗いして水気を切ってからクッキングシートを敷いたトレーに並べ、両面に油を塗ってトースターで約六分間焼く。普通のサラダ油でいいが、香りを楽しみたけれぱ、ゴマ油やオリーブ油などでも。尾にアルミホイルをかぶせておくと、焦げにくい。
 おいしそうな香りが漂ってきたところで、まずはワカサギの昆布巻きおでん仕立てを。
 <昆布は水で戻し、六枚は長さを半分に切り、二枚は七、ミリ幅に切ってひもにする。焼いたワカサギを昆布で巻き、ひもで結ぶ。鍋にこの昆布巻き、昆布の戻し汁と水をたっぷり入れてコトコトと煮る。ダイコンは縦半分に切り、二ミリ幅に切り込みを深く入れ、二センチ厚さに切って鍋に加える。ジャガイモは皮をむいて半分に切り、鍋に加え、くしがすっと通るようになるまで煮る。Aの調味料を入れ、根もとに十字に切り込みを入れたメキャベツを加え、軟らかくなったら器に盛り、好みでユズコショウを添える>
 あらかじめ焼いたワカサギにはこくがあり、上品なだしとの相性も良い。ダイコンに切り込みを入れると、火の通りも早く、口の中でほろほろと崩れるようだ。
 ワカサギの炊き込みこ飯は、驚くほど簡単にできる一品。
 <セリは茎と葉に分けざく切りに。炊飯器に洗った米、調味料を入れて水加減し、焼いたワカサギと梅干しを入れて炊く。炊き上がったらセリの茎を加えて数分蒸らす。さっくりと混ぜて器に盛り、セリの葉の部分を添える〉軟らかなワカサギと、セリの茎の歯応えの対比が楽しく、はしが進む。梅干しの酸味が加わり、味も見た目もさわやかだ。
 焼きワカサギを、季節の野菜や果物と合わせると、さわやかなサラダになる。今なら薄く切って軽く塩を振ったカブと、塩ゆでしたカブの葉、ハッサクやグレープフルーツなどと一緒に。オリーブの実をあしらい、トビコ(トビウオの卵)とオリーブ油、塩、コショウを混ぜたドレッシングをかけると彩りも美しい。
 「ワカサギは、ただ焼いただけでも十分おいしいのですが、ちょっとおしゃれにアレンジして楽しみたいですね」と向後さんは話している。

*材料=4人分
ワカサギの昆布巻きおでん仕立て
 ワカサギ12匹/早煮昆布30cm8枚/ダイコン1/3本/
 ジャガイモ(メークイン)4個/メキャベツ8個/
 A(酒1/4カップ/しょうゆ大さじ1杯/みりん大さじ2杯/
 塩小さじ1/2杯)/ユズコショウ適量

ワカサギの炊き込みご飯
 ワカサギ12匹/セリ1束/白米2合/
 調味料(酒大さじ1杯/しょうゆ少々/昆布2cm角)/梅干し2個



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