◆食文化史研究家  永山 久夫先生


「ラッキョウこそ中年の脳を守る」

年をとると、だれでも、皺がよる。ハゲができる。心の中にまで、皺やハゲを作ってもいいのだろうか。
「青春」は、心の持ち方であり、若さの特権でもなければ、人生の一時期を指すのでもない。
誰でも、年をとることから、逃れることはできない。年をとればとるほど、私たちの体は、どの部分も、年相応にくたびれてくる。つまり、肉体の老化だ。
しかし、日常の努力によって、「脳」の老化を遅らせることは不可能ではない。脳細胞の老化は、二〇歳前後で早くもはじまるという。一日に、一〇万個もの脳細胞が、壊れていくという説もある。
ところが、脳細胞は確かに減少するが、細胞と細胞をつなぐネットワークは、学習や経験によって増え続け、すたれることもないそうである。
その反対に、学ぶこと、あるいは感動するようなことをやめれば、脳細胞も減る。
「生涯現役」というのは、「生涯学習」と同じである。生ある限り、学習したり、好奇心を持ち続けるから、「生涯現役」でいられるのである。
脳の若々しさを保つためには、その若さをサポートする、食事もまた重要である。ファストフードやレトルト食品、あるいは、化学調味料や着色剤、保存料をたっぷり使った、スナック菓子などばかり食べていては、脳にとっては、最悪である。
そこで、今回は今が旬まっ盛りのラッキョウを紹介したい。中国原産のユリ科の野菜で、甘酢漬けやたまり漬けなどでおなじみであるが、日本に入ってきたのは平安時代よりも前。当時は、薬用として珍重されていたようで、平安時代の医薬書として有名な『医心方』には、ラッキョウの効能が、次のように出ている。
「長く食べ続けると、精神的にゆとりが出てきて明快となり、神通力を身につけたようになる。そして、筋肉に力がついて丈夫になる」
ツーンとくる辛味の成分は硫化アリルで、心臓を丈夫にして、血液の流れをよくし、脳の中の血のめぐりもよくなる。保温効果もあり、オフィスや電車などの冷房からくる、冷え症の予防にも役立つ。脳の回転をよくするブドウ糖の吸収をよくするのはビタミンB1であるが、その働きを向上させる成分も多い。




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