新聞掲載記事から転載しました。夕刊 フジ、平成13年8月25日、15面

(記事・森田トミオ)


「アワビ」

体を癒す豊富なコラーゲン
栄養豊かなアワビ
美肌保ち、骨の老化防ぐ
生活習慣病予防の銅、亜鉛、鉄分も
キモは胃かいようの”特効薬”

夏においしくなる貝の代表といえばやっぱりアワビ。そして、おいしいだけでなく、まだしぱらく続く残暑を乗り切るパワーを与えてくれる、栄養豊かな貝でもあるのだ。
女子栄養大学教授で魚介類に詳しい國崎直通氏は、「アワビは海草をエサとしていますから、海草の栄養素を濃縮したようなよさがあります。また、コラーゲンが非常に豊富なこともアワビの特徴です」と話す。
貝類に含まれるコラーゲンの量は、貝の身のかたさに比例するという。つまり、かたい貝ほどコラーゲンが多いわけで、塩で締めると身がカチカチになるアワビは、相当にコラーゲン含有量の多い貝ということになる。
「コラーゲンは皮膚などを若々しく保つ働きや、骨を丈夫に保つ働きがあるといわれています」(國崎教授)
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、骨、軟骨、皮膚、血管などに多く存在している。骨はコラーゲンの繊維に、カルシウムなどが吸着してできているのだ。そのコラーゲンの体内生成量は40代を過ぎるとがくんと落ちるといわれている。
コラーゲンが少なくなると、皮膚では張りがなくなり、シワが増える、シミなどが取れにくくなるなどの影響があり、骨の老化や、関節痛なども起きやすくなる。また、生活習慣病と関係の深い動脈硬化も、コラーゲンの不足で起きやすくなる。コラーゲンが不足すると血管の修復がスムーズに行われなくなるためで、キズついた部分が固くなるなどして動脈硬化の原因のーつになると考えられているのだ。
「ミネラル類では、銅、亜鉛、鉄分なども豊富に含まれます」(國崎教授)
銅や鉄分には赤血球の合成に関与する性質があり、また、鉄分はビタミンCとともに、体内でコラーゲン生成を行っている。そして亜鉛は、性ホルモンをはじめとして、各種のホルモン合成に必要な栄養素。鉛などの、環境汚染物質の吸収を阻害する働きもあるとされている。
「アワビはキモも食べますが、キモには海草からのジメチルサルファイドという物質が含まれ、これが胃かいように対して特効薬的な働きがあるともいわれています」(國崎教授)
身は薄く切ってワサビしょうゆや酢みそで、あるいは厚めに切って水貝にすると美味。キモはワカメやキュウリと合わせて酢じょうゆでいただく。




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