酉のとしに生るゝ人は一代の守本尊不動明王也。 此人前生にては白帝の御子なり。 北斗のもんきよく星より白米二石と金子七貫目を受得て今生へ生るゝなり。生質(うまれつき)心さとく親に孝行なり。又君に忠をなし学もんを好み是非をよくわきまへ知。然れども親兄弟に縁うすく孤立のくらしをすることあり。一代の内若年の内はよく中年あしく老て仕合よく富貴繁昌なるべし。 四十二三にて大きに災ひありよくよく慎むべし。六十三にて命危し。命は七十七にて終るべし。昆沙門は寿命を守賜ふ。阿弥陀は福徳をあたへ賜ひ虚空蔵は智恵を授賜ふ。深々(よくよく)信心すべし。
○一説に曰く、酉のとしの生れは一生財禄満人の為になる事多し。又身に病ありよくよく養生すべし。二十二三にて災ひにあふ事有。善根施しをせばまぬがれて命長く保べし。
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