申のとしに生るゝ人は一代の守本尊大日如来なり。此人前生は白帝の御子なり。北斗のれんてい星より米十五石と金子五貫目を受得て此世へ生るゝなり。此人前世にて人を多く殺したる。其報にて今生にて目を煩事あり。又中風の病を煩ふ事あり。よくよく善根をなして前生の因果をはらうべし。此人生質かるかるしく芸能ありて四方より金銀財宝あつまり来る。又旅他国をかけ廻り辛労する事有べし。子の縁うすく育がたし。よくよく神仏を祈ぱ子有べし。命は五十六又は八十三にて終るべし。観音は寿命を守り玉ふ。勢至は福徳を与賜ぷ。妙見は智恵を授賜ぷ。皆々信すべし。 ○一説に日申のとしの生れは父母兄弟の力を得がたし。女は一生衣食に事かゝずしてよき夫に添べし。男はつねに口舌事絶ず五十六才を過て財宝あつまり身饒(ゆたか)なり。
申の年生れの性格 ○長所
才能旺盛、活動家、赤裸々で進取的気風。
偏屈、大望を抱くが浅慮妄動する、他人を信ぜず利己主義。
栄えては亡び、亡ぶかとみれば又栄える。起伏恒なく、落ちつかない。生涯試実を忘れずに努力せば運気盛んとなる。